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診察法探索ガイド

東洋医学の診察って、何を診ているの?

東洋医学科の診察を受けたことがありますか。まず舌を診て、それから両手の脈を取り、その後おもむろにベットに寝て腹部や背中を診察してから、問診と照らし合わせて処方を考えます。西洋医学とは随分違いますね。そのため患者さんからいったい何を診ているのかという質問をよく受けます。少し難しいかもしれませんが、この東洋医学の診察法を簡単にガイドしてみます。知っていると医者にかからなくても、自分の健康状態が解るようになりますよ。

東洋医学の診察法

東洋医学は二千年以上前の中国からもたらされた伝承医学です。その当時はたいした医療機具もなく、診察は医師の五感に頼っていました。舌や脈、腹部の診察はその頃に確立された四診という方法を今でも使っています。四診には望診、聞診、問診、切診があります。身体を眺め、におい、音を聞き、触り、悪いところを問いかけていくというふうに丁寧に診ることによって、各人の体質だけでなく、気血水や精神の状態、病気の種類などが把握されていくのです。

もちろん医学の進歩した現代では、その上に様々な現代医学的検査も取り入れ、より精密な情報が得られるようにしているのはいうまでもありません。東洋医学には現代医学が置き忘れてきた、診察の原点が今に生きているといえるでしょう。

望診(ぼうしん)

(1)精神状態や顔の色つやを診る。

その人の雰囲気などから、神色(しんしょく)と呼ばれる精神状態や顔の色つやや表情などをみて病気を判断する。輝きがあり明瞭であれば良好で、元気がなく顔色もすぐれず、目に力がないなどは病気の徴候である。

(2)患者の姿勢や形態を診る。

体つきの強弱、肥満や痩せ、動きなどを観察する。発育よくがっしりと引き締まっているのは体質が強く、発育悪く痩せているのは虚弱な場合が多い。太く色白で筋肉が柔らかいのは水湿が多く寒がりで、痩せて色黒で皮膚がかさついているのは内熱が強く、乾燥している。

(3)舌の様子を診る。

舌質と舌苔に分けて観察する。舌質の色や形、運動の様子、舌苔の色、つきかた、厚さ、湿り気の具合などから、どの臓器が障害されているか、病邪の程度や位置はどうか、患者の体質、体力はどうかなどを診てゆく。

  1. 舌神
    舌全体から受ける印象のことで、赤くて潤いがあって、生き生きとつやがあるのが健康で、舌が乾き光沢がなく、生気の感じられないのは病的と考える。
  2. 舌色
    舌の色を診ることで、赤いのは熱が豊富なことを示し、赤黒くなると熱のために乾燥状態が生じている場合が多い。淡白色は冷えや気血両虚の時にみられる。紫色は血のうっ滞である瘀血(おけつ)や強い冷えが体にある時にみられる。
  3. 舌形
    舌全体の形をみることで、老(ろう)は舌がきめ細かく引き締まった感じがすることで、体力の充実した人が多い。嫩(どん)は舌が柔らかく潤いのあるもので、虚弱な人や冷え性の人に認められる。歯痕は舌の辺縁にみられる歯による圧迫痕で、気虚でみられやすい。痩薄は舌が痩せて小さくなったり、薄くなっているもので、長期の慢性疾患でよくみられる。裂紋は舌面にみられる溝のようなしわで、体の水分が少ない陰血不足で認められる。お点やお斑は舌面に認められる紫~紫黒色の斑点で、瘀血(おけつ)でよく認められる。
  4. 舌苔の色
    白苔は風邪の初期か冷えの時にみられる。黄苔は熱症や裏熱の強い時に多い。灰苔は体に病的な痰飲という水分が多い状態を現す。
  5. 舌質
    薄い苔は病気が軽症で初期の段階を示す。厚い苔は病邪の勢いが盛んな状態でよくみられる。滑苔は湿り気のある舌で、身体の湿や冷えの強い状態を示す。燥苔は乾いた苔のことで、身体の乾燥した状態でみられやすい。膩苔(じたい)は苔がべったり舌面に張り付いている状態で、湿熱、湿毒が盛んな状態で多い。剥落苔は舌苔が一部剥離している状態で、胃の不調などで現れやすい。

聞診(ぶんしん)

(1)音声を聞く。

音の強さ高さ、なめらかさ、かすれ具合、言語の乱れなどを診る。肺疾患や精神疾患では声に異常をきたしやすい。

(2)臭いをかぐ。

体、口、分泌物の臭いなどから病気を考える。口臭は胃熱がある時に起こりやすく、食べ過ぎると酸っぱいゲップがあがるなど。

(3)呼吸をうかがう。

呼吸の長さ、音、荒さ、咳、しゃっくりなどを診ながら、病気の強さや元気の状態などをみてゆく。

問診(もんしん)

現在の病気のことはもちろん、それ以外にも以下の項目について詳細に問い、現在の症状と合わせて考える。

  1. 寒熱 
  2. 汗の様子
  3. 頭痛の有無、強さ
  4. 身体の痛み、重さ、 痒さ
  5. 大便の様子、色
  6. 小便の量、回数、色
  7. 飲食の様子
  8. 耳(聞こえるか、耳鳴りはどうか)
  9. 口の渇き
  10. 月経の周期、量、痛み

切診(せっしん)

(1)脈を診る。(脈診)

脈は気血を運行する道と考えていて、脈を診ることで元気かどうか、病邪の程度、病気の予後などを知ることができ、東洋医学の重要な診察方法の一つである。漢方では左右の橈骨動脈の拍動部位を末梢側から寸、関、尺の三部に分けて、内臓の気を診る。また脈は虚、実、浮、沈、数、遅などを診る。

実脈、虚脈

力強く、反発力のある脈を実脈といい、正気の充実した状態でみられる。それに対して弱く、強く押さえるとつぶれてしまう脈を虚脈といい、虚症に多い。

浮脈、沈脈

軽く指を置くとはっきり触れるが、強く押さえると消えていくような脈を浮脈といい、体表部の病気に見られる。また反対に強く押さえるとはっきり触れる脈を沈脈といって、病気が体の深部の内臓にあったり強い勢いの時にみられる。

数脈、遅脈

90回/分以上位の速い脈を数脈(さくみゃく)といって、体に熱気のある時に現われやすい。また遅脈(ちみゃく)は60回/分以下位の遅い脈のことで、冷え性などで現れやすい。

(2)腹部を押さえて診る。(腹診)

病人の腹部を押さえて、緊張度や圧痛、冷たいか熱いか、潤燥などを診る方法。古代中国よりも日本において発展した診察法。症状のある腹部の場所で、どの臓腑に問題があるかなどがわかる。