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体質にあった漢方

私は東洋医学的な診察法に基づいた、舌診や脈診、様々な問診から患者さんの体質を判断し、できるだけ「あなたの体質はこうなのだ。」と説明するように心がけています。

最初はけげんそうな顔をする人も、納得すると新しい自分を発見したかのように嬉しそうにされます。例えば、手足がよく冷える人は自分が冷え症だと自覚できます。しかし四肢が冷えるわけでもなく、暑がりで汗かきだったりすると、体の冷えている事などなかなか意識できません。こんな人が下痢をしたり、お腹が痛くなっても冷えのサインとは気がつかないのです。

実は冷えは水湿と結びつきやすく下痢、腹痛などの消化器症状を非常に起こしやすいのです。このような人は冷え症だと教えなければ、冷たい飲み物、果物などを常に飲んだり食べたりし、ますます冷えの状態を作って行きます。これではいくら薬を飲んでも下痢や腹痛は治りません。冷え症だという事を理解した上で日常の養生をし、特に脾胃と呼ばれる消化管を温める作用のある漢方を飲む事で、冷えの体質を変えることができるのです。これが漢方の持つ体質改善作用と言われる考え方です。

また、冷え症からはこの他、アレルギー性鼻炎や喘息なども起きます。ですからその人の体質に合った漢方を飲み、また養生をしてゆかなければ、いつまでたっても慢性病からはのがれられないのです。自分の体に目を向け、興味を持って体質の改善をすすめていかなければなりません。

漢方の効き方

漢方はどんな疾患によく効くのでしょうか。体質からくる慢性疾患、たとえばアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息などのアレルギー体質によって起こる病気、冷え症や虚弱症などの先天的な素質による症状などに非常に効果があり、病気に負けない体質をつくってゆくことができます。また湿疹、蕁麻疹などの様々な皮膚疾患、不妊症、生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症、更年期障害などの婦人病、肝炎、高血圧、腎炎などの慢性成人病、自律神経障害から起こる様々な心身症、そして鍼灸を併用することでより効果の上がる骨関節疾患など実に数多くの疾患で漢方は驚くほどの効果があります。

東洋医学には標治(ひょうち)と本治(ほんち)という考え方があります。標治とは現在表面に出ている症状を改善する事で、本治というのは根本的に体質を変えて、薬をやめても症状が出なくなるまでに治療することです。例えば花粉症のそのシーズンだけの鼻水、くしゃみを取るのが標治で、来年に症状が出ない体を作るのが本治というわけです。当然、標治は短時間でしかも簡単ですが、本治にはかなりの時間を要します。だから漢方を飲めば、すぐ改善するんだと思っている人から、なかなか効かないじゃないかという声も聞かれますが、長年の慢性疾患であればあるほど、体質を変えたり、症状を取ったりするのに時間はかかるものなのだという事を充分に理解していただきたいと思います。また日常の養生なしに効果は上がりにくいものなので、医者まかせの姿勢でなく、自分でも治すんだという意欲をもって、共に病気と取り組んでいくというのが最も早く治る近道なのです。

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