ホーム > 河崎医院たより 「あけび」 > 河崎医院たより「あけび」2021年 1月 136号 特集『コロナ禍をマインドフルネスで乗り越えましょう / 腸活と免疫力 』
河崎医院たより「あけび」2021年 1月 136号 特集『コロナ禍をマインドフルネスで乗り越えましょう / 腸活と免疫力 』
令和3年、辛丑(かのとうし)年が明けました。昨年は誰もが予想しなかったコロナ禍で、全国民が苦労した年でした。一刻も早い安寧を祈願したいものです。今回のあけびはそんな気持ちを込めて「コロナ禍をマインドフルネスで乗り越えましょう」をお届けします。
■ コロナ禍をマインドフルネスで乗り越えましょう
●新型コロナ感染症による多くのストレス。
昨年初め頃から突如日本でも拡がりはじめた新型コロナ感染症ですが、未知のウイルスに対する身体的不安や、日常生活の様々な制約や変化のために、人々の心に苛立ちや不安を引き起こしています。コロナ感染は高齢者を中心に呼吸器感染だけでなく、多くの合併症を引き起こすため、感染することへの不安は計り知れません。また感染に対する偏見などが拡がっており、自分や家族が感染することで予想される社会的孤立への恐怖感も相まって、人間同士の信頼関係を損なっています。
またコロナ感染症は社会的な枠組みも変化させました。在宅勤務やWEB授業が増加し、自宅での生活時間が長くなっている人も多くいます。そのため、生活時間が規則的に取れない、家族との関係性に影響が出る、孤独に苛まれるなどの問題点が指摘されています。
コロナ感染症の先行きが見通せない中、職種によっては失業の恐れも出るなど、将来に対する失望感から心を病む人が増加しています。その上、外で食事したり、旅行したり、家族や友人と会うといったストレス発散も制限されているのですから、誰でもがいつ精神バランスを崩しても不思議ではありません。
●コロナ禍をマインドフルネスで乗り越えましょう。
昨年、コロナ禍の中で、ガーデニングやWEB飲み会、「あつまれどうぶつの森」のような家族でできる癒しゲームなどがブームになりました。多くの人がコロナ感染によるストレスの解消を自主的に探して、実行していたことが分かります。人間はどんな環境の中でも希望を見出しながら生きてゆく動物なのだと実感させられます。
こんな時期だからこそ実践したい心の健康法が「マインドフルネス」です。マインドフルネスはヨガや禅で行われている瞑想法が起源とされています。コロナ禍で精神バランスが崩れると、過去の嫌な思いを後悔し、未来に対する漠たる不安を覚えるものです。そんな思いが募ると、心の中でマイナスなことばかりを反復して考えてしまう「マインドワンダリング(心のさまよい)」の状態、分かりやすくいうと考えすぎの状態に陥りやすくなります。マインドフルネスでは、ヨガなどで用いられる呼吸法を用いながら、自分が置かれている今に意識を集中することで、過去の後悔や未来への不安などによるストレスを徐々に取り除いていきます。意識を「今、ここ」に集中させると、リラックスしているのに感覚は鋭くなり、それまで振り回されていた不安感がなくなり、精神的に安定した自分になることができるというものです。この方法は世界中で注目されており、Googleなどでも研修に用いられています。多くの啓蒙書が出版されており、誰でも簡単にマスターできる方法です。是非日常に取り入れて、コロナ禍を乗り超えていきましょう。
■ 腸活と免疫力
新年を迎え嬉しい気持ちもありますが、まだまだコロナウィルスの脅威に日々脅かされ心配だらけです。免疫力を高めることが大切。今回は腸と免疫力について紹介します。
●免疫細胞の7割は腸に存在する
免疫とは体の中に入ってくる細菌やウイルスといった異物を認識し、抗体をつくり体を守る、「生体の防御システム」のことです。一度侵入した抗原は記憶され、異物を認識しても再び抗体が体を守ります。これらは様々な免疫細胞によって行われます。
消化管は口から肛門まで筒の様な管になっています。そこを食物や水分と共に細菌やウィルスも同時に通過していきます。内臓ではありますが、常に外と関係しているところなのです。特に栄養素などを多く吸収する腸には異物や不要物から体を守るため免疫細胞が多く存在しています。
●腸の免疫機能
腸の免疫活動は小腸の下の方にある回腸のパイエル板というところで行われます。パイエル板は小腸の絨毛の間に存在するリンパ小節が集合した腸管特有の免疫組織です。
パイエル板の外にはM細胞という免疫細胞が存在し、異物を確保しその情報を樹状細胞に伝えます。この情報は免疫の指令役のヘルパーT細胞に伝わり、B細胞へ抗体を作るように指令を出します。B細胞は抗体をつくり、異物の侵入を防ぎます。
●腸活は免疫力を高める
腸内環境を整えることは免疫力を高めます。最近は腸内環境を整えるための「腸活」が良く取り上げられます。バランスの良い食事、ウォーキングや体操などのな運動、十分な睡眠時間の確保、生活時間の見直しなど「腸活」を行ってみましょう。行動するだけではなく、腸は自律神経とも深く関わっているのでリラックスした時間を持つことも大切です。
●腸活の為のおすすめ食材
①発酵食品 ヨーグルト・チーズ・納豆・味噌・醤油・甘酒・キムチ・ぬか漬け
②食物繊維 ゴボウ、人参などの根菜類。ワカメ、ひじきなどの海藻。大豆、小豆など豆類。
④ビタミン キウイ、アボカド、プルーン
④高タンパクや高脂質の食事 脂肪多いお肉やフライ、天ぷらなどの揚げ物は控えめに。
●おすすめ簡単レシピ
・キムチ納豆 ・焼きいも
・豆乳ヨーグルト ・豆乳甘酒 ・キャベツやもやしなど具だくさんスープ
・大豆入りひじき煮 ・切り干し大根
・お正月料理 (煮しめ、黒豆、たたきごぼうなど)
基本的に和食は腸活に最適です。
■ 今月のおすすめ
● ちょっぴり大人なしょうが湯
今年も冬の定番、しょうが湯を紹介します。「乾燥しょうが」「蒸ししょうが」2つのしょうがに本葛、山椒、高麗人参、コラーゲンをプラスしたちょっと大人なしょうが湯。寒い冬、スパイシーな辛みで体の中から温めていきましょう。
新年は5日(火)より診察