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河崎医院たより「あけび」2019年 3月 120号 特集『骨粗鬆症Ⅱ/高齢者の食事』

様々な春の花が芽吹きはじめる3月です。日本では年度末となり、卒業や別れの季節でもありますね。今回は前回に引き続き『骨粗鬆症Ⅱ』をお届けします。


■ 骨粗鬆症Ⅱ

骨粗しょう症治療は早期開始が大切

骨粗鬆症の治療は骨量が減少している人に対して、将来の骨折の危険性を少なくする予防的な目的で60歳代頃から開始するのが一般的です。早目に治療介入をして骨破壊を防止しないと、将来の骨折リスクを減らすことはできません。しかしある調査によると服用開始1年後の治療離脱は5割に達するとされています。将来の骨折防止と言われても、その時点では無症状なので、つい飲み忘れてしまうということかもしれません。ただそのつけは意外に大きく、老齢で骨粗鬆症になって体の重みによって背骨が圧迫骨折を起こすと、背中や腰の痛みから寝込みがちになります。また、転倒などで太もものつけ根を骨折すると、治るまでの長い間歩くことができなくなり、足腰の筋力が低下し、寝たきりとなる可能性が高まります。そのような状況こそが健康寿命が尽きるということなのです。

生活習慣病は骨粗しょう症を増悪させる

糖尿病、高血圧、脳卒中、心臓病、脂質異常症、肥満などの生活習慣病は、動脈硬化を悪化させるだけでなく、同時に骨折リスクの上昇をもたらすということが、最近話題になってきています。また動脈硬化になると運動量が減るので、ますます骨粗しょう症を進行させるという悪循環に陥ります。たとえば2型糖尿病患者さんにおける大腿骨頚部骨折のリスクは、同じ骨密度で糖尿病のない患者さんと比べて2倍程度にもなるといわれています。糖尿病で骨折リスクが高まる原因としては、高血糖が持続することで骨の主要成分であるコラーゲンの糖化が進行し、骨の強度を低下させる可能性が示唆されています。骨量はそれほど低下していないのに、骨質が劣化してくるのです。また高血圧や脳卒中の患者さんも骨折しやすいことが多くの調査研究で明らかにされています。さらに生活習慣病に関連する疾患として注目されている慢性腎臓病でも骨折リスクが高まることが判明してきました。生活習慣病の増悪因子である飲酒や喫煙、喫煙に由来する慢性閉塞性肺疾患も骨折リスクを高めるとされています。このように生活習慣病と骨折とは密接な関係があります。生活習慣病は今や2000万人以上が罹患する国民病ですが、同時に骨粗鬆症リスクも高めることになると、一層健康寿命に赤信号が灯る結果となります。その予防には生活習慣病になる日常の生活スタイルも同時に考え直すことはいうまでもありません。
東洋医学では骨は腎という生命エネルギーをもたらす臓と関係すると考えられていて、腎精が少なくなると骨髄が枯れるといわれます。腎は骨だけでなく、足腰の力とも関係し、腎が弱ると脚力低下や腰痛などが現れてきます。腎を強くするためには、スジ肉や豚足、テールなどのコラーゲン豊富な肉類などを食べることが推奨されます。老人には少量でも肉類が良いという意見は、漢方医学的にも合致します。保険漢方には動物性生薬は少ないですが、八味地黄丸、牛車腎気丸などが弱った骨や足腰には効果的です。お試し下さい。


■ 高齢者の食事

高齢になると食事の量も減ってきます。その上、タンパク質やミネラルなど栄養の吸収も低下し、「低栄養」の状態になります。低栄養は「フレイル」や「サルコペニア」を引き起こします。体の状態を把握し、しっかりした食事をとるように心がけましょう。

高齢者は低栄養になりがち。

高齢者の特徴として咀嚼や嚥下などの機能低下、様々な疾患の増加、精神面での変化などにより食事量が減少します。また、三食食べていると思っても食事内容や調理法が偏っていたりすると思うより栄養がとれていないこともあります。

低栄養になると・・・。

低栄養になると体重減少と共に筋肉が落ち、疲れやすくなります。その結果、家事や散歩など日常生活による運動量も減り、より食欲が低下するという悪循環をもたらします。「フレイル」や「サルコペニア」の状態は転倒や寝たきりに繋がっていきます。

・フレイル・・・加齢にともなう様々な機能低下、低栄養などによる健康障害により虚弱・脆弱した状態。体重減少や疲労感、日常生活量の減少、筋力の低下などがみられます。

・サルコペニア・・・加齢に伴う筋力の低下、老化に伴う筋肉量の減少により全身機能が低下した状態。

体の状態を知る。

体重が減ってきた、食事を残しがち、疲れやすくなった、歩く速度が落ちた、転びやすくなった、カゼをひきやすくなったなど体の状態をチェックしてましょう。また、適正体重を知って体重維持を心がけましょう。BMIは年齢により異なります。18~49歳は18.5~24.9。50~69歳は20.0~24.9。70歳以上は21.5~24.9。 《 BMI=体重 kg÷(身長 m×身長 m) 》

食生活を見直しましょう。

・三食をバランス良く食べる  
・タンパク質、特に牛肉・鶏肉など動物性タンパク質を十分取る  
・根菜類、緑黄色野菜など色んな種類の野菜をできるだけ火を通して摂取量を増やす。
・油脂類の摂取不足にならないようにする。 
・食欲のないときはおかずだけでも食べる。
・ご飯や麺類だけで済まさない(タンパク質不足) 
・会食などの機会をつくる。
・嚥下がしにくいときはとろみをつける。


■ 今月のおすすめ

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3月16日(土) 診察13:00まで