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河崎医院たより「あけび」2016年1月 82号 特集『サルコペニア/筋肉をつけよう』

丙申(ひのえさる) 平成28年の幕明けです。丙・申はどちらも陽の干支ですから、物事が派手な方向に伸びたり、進んだりするようです。皆様にとって良い1年でありますことをお祈りしております。今回の特集は、高齢化社会の問題「サルコペニア」を特集します。


 

■ サルコペニア

サルコペニアとは

「サルコペニア」とは加齢や生活習慣によって筋肉量が急激に減ってしまう状態をいいます。85歳以上では男女共に60%以上がその状態に陥っていますし、65歳以下の年代でも運動不足が長年続くと下半身が細くなって、サルコペニア予備軍になっていますので、決して他人事ではありません。ちなみにサルコペニアはギリシア語で、サルコ(筋肉)とペニア(減少)を合わせた造語です。高齢者になるとタンパク質による筋肉の合成と分解のバランスが崩れてきます。筋肉を合成する力が徐々に弱まってきているのに、食事量が減少して十分なタンパク質を摂取しなくなるため、結果的に筋肉量が減ってしまうのです。
サルコペニアが進行すると歩行速度が低下する、転倒や骨折のリスクが増加する、日常生活の動作が困難になるなど、自律した日常生活が困難になる危険性が増してきます。
2014年にできたアジア人向けの診断基準では、高齢者がサルコペニアかどうかを診断する際、まず握力と歩行速度を測定します。基準値は、握力が男性26kg、女性18kg未満、握力は両手で各3回測り最高値をとります。歩行速度は秒速0.8メートル以下、これは青信号で横断歩道を渡りきれるかどうかくらいの速度です。どちらか一方でも該当すると、サルコペニアが疑われます。確定診断は、エックス線を用いる特殊な検査法で筋肉量を測定し、男性7kg、女性5.4kg未満なら低筋肉量とされます。ただこの筋肉量測定法は現時点では普及していないので、握力か歩行速度が基準値以下ならサルコペニアの可能性を考えて対処するべきとされています。

サルコペニアのタイプと対処法

サルコペニアには加齢以外に明らかな原因がないものと、不活発な生活で身体を動かさない結果としてのサルコペニア、ダイエットや不摂生からの低栄養によるもの、慢性疾患の結果として衰弱しておこるサルコペニアなどがあります。しかし実際には高齢者のサルコペニアの多くは原因が複合的に重なっています。ただそれらの背景には、幼少期からの身体の発育の影響、若い頃の食事や運動習慣、生活スタイルなど、生涯にわたる様々な要因が関わってきていますので、若い頃から筋力、筋量を保つ生活を心がけることが大切です。
また最近「サルコペニア肥満」という概念が話題になっています。メタボでお腹が出ている割には脚が細くて、肥満と筋肉減少の両方を合わせ持つ、少し小太りしたサルコペニアです。身体が重いために運動不足となり、ダイエットしても筋肉だけが痩せて脂肪は減らず、また身体のバランスが悪いために転倒しやすくなります。
サルコペニアの治療法は運動して筋力を取り戻すこと、良質のたんぱく質をしっかりと摂取することで筋肉量を増やすこと、滋養強壮の薬を摂取することなどがあげられます。そのためにも50~60歳代から、日常的に適度な運動をすることを習慣づけて下さい。

 

■ 筋肉をつけよう

サルコペニア予防として丈夫な筋肉づくりは大切です。筋肉についての知識を高め、丈夫でしなやかな筋肉を身につけ、健康で居られる身体を目指しましょう。年の初めに運動や良い食生活をはじめるのもいいですね。

筋肉って

筋肉は骨に付着し体を支え、動かします。体幹を支える腹筋や背筋、細かく動く腕や足の筋肉が主ですが、内臓や血管の壁も筋肉でできています。これらの筋肉は20歳頃までに組織ができ、そこから少しづつ減少してき、70代では20代の約4割まで減少するそうです。筋肉はタンパク質で構成されており、体内で合成と分解が行なわれますが、年齢と共に分解される量の方が多くなり筋肉量が減っていきます。筋肉が減ると歩行など運動障害だけでなく、感染症や糖尿病のリスクも高くなり、生存率とも関係することがわかってきました。運動と食事により筋肉を強くすることができます。30~50歳から筋肉づくりを意識しておきましょう。

 

筋肉づくりの運動

筋肉は何歳になってもトレーニングを行なえば強化できます。あきらめてはいけません。ウォーキングなどの全身運動と下半身の筋トレを中心に行うと効率よく筋肉を増やすことができます。筋肉を維持するには1日6~8000歩、歩くことが必要です。筋トレは繰り返し行うことが大切です。10回を1セットとし、できるだけ毎日、やれる方は一日に数回行うようにしましょう。


・かかと上げ運動・・・両手で椅子の背や机の端を持って立ち、かかとを上げて5秒キープでもとに戻す。

・スクワット・・・両手を胸の前にあて、5秒ほどかけゆっくり膝を曲げ、ゆっくり元に戻す。腰の重心を落としていく感じで、膝の位置がつま先より出ないように意識しましょう。


・椅子スクワット・・・普通のスクワットが不安定な方は椅子に座る、立つをゆっくり繰り返しましょう。机を持ってもかまいません。

・椅子に座って足上げ運動・・・椅子に座って片足ずつゆっくり持ち上げ下ろす運動を行いましょう。

 

筋肉づくりの食事

筋肉をつくるにはやはりタンパク質が必要です。食品には大豆や穀物などに含まれる植物性タンパク質と肉、魚、卵に含まれる動物性たんぱく質があります。献立に合わせて色々な食材からタンパク質をとるようにしましょう。筋肉を維持するには体重1㎏に対して1g(1日)、筋肉を増やすには体重1gに対して1.2~1.5g(1日)のタンパク質が必要とされています。最近はビタミンDが筋肉を増殖させることもわかってきました。日光に当たることやキノコや魚介類などの摂取も積極的に行いましょう。

食事の工夫

歳をとるとあっさりしたものを好む方が多く、麺類やごはんの炭水化物を中心の食事になりがちです。肉が苦手なら、脂肪の少ない鶏肉や魚や卵で摂取する、お味噌汁には必ずお豆腐を入れる、チーズや納豆をプラスするなど、意識して取りれましょう。

 

■ 今月のおすすめ 

ごぼう茶

厳選された良質な国産のごぼうを丸ごと皮付きのまま香ばしく焙煎した香ばしくすっきりとした味わいのノンカフェインお茶です。便秘解消や腸内環境を整える水溶性食物繊維やポリフェノールや悪玉コレステロールを分解するサポニン、水分代謝をよくするイヌリンが含まれ、若返りのお茶として注目されています。

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¥1,080(税込)

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