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河崎医院たより「あけび」2015年7月 76号 特集『膝関節症/ひざ運動』

太陽がまぶしい真夏の7月です。猛暑にうんざりしてくる頃ですが、夏バテに気をつけて乗り切っていきましょう。今回と来月の2回に分けて「膝関節症」を特集します。

■ 膝関節症

膝関節症は老化でおこる代表疾患

変形性膝関節症は老化と共に増加してくる疾患です。健康な膝関節は大腿骨と脛骨から成り立ち、骨の先端が軟骨で覆われていて、その間に半月板があります。軟骨や半月板は弾力性があり、衝撃を和らげるクッションの役目を果たしたり、関節の動きを滑らかにします。この軟骨が老化ですり減ってくると大腿骨と脛骨の隙間が狭小化して変形してきます。そうなると関節を包む滑膜が引き伸ばされたり、炎症を起こしたり、骨どうしがぶつかったりして痛みや曲げ伸ばしの制限、ひどい場合には水腫も生じてきます。
60歳以上で女性の約4割、男性の約2割がレントゲン上、変形性膝関節症と診断され、かなり多い発生頻度です。悪化すると歩行が困難となり、要介護状態に陥る大きな原因となっています。老化で膝を傷める人が多い理由は、膝が体重を支える重要な関節で、衝撃や負荷を受けやすいためです。特に肥満や肉体労働者、O脚などがあると、加齢と共に容易に症状が出てきます。膝にこわばりや重だるさなどの違和感を感じはじめる初期段階のレベルから、日常の生活習慣を改め、運動や養生などで予防していくことが大切です。

膝関節症の一般的治療と日常の養生法

変形性膝関節症の治療法には大きく分けて保存療法と手術療法の2つがあります。保存療法には運動療法(リハビリテーション)、装具療法、ダイエット、薬物療法があり、これらを組み合わせて行われます。手術療法は、保存療法で効果が得られない場合に選択されますが、かなり症状が進行した症例に限られ、決して安易にするものではありません。保存療法の頑張りしだいで手術は回避できる場合の方が多いといえます。
変形性膝関節症に対する運動療法の目的は膝の曲げ伸ばしの回復(可動域訓練)と膝を支える筋力の回復(筋力訓練)です。可動域訓練は膝が温まった状態で曲げ伸ばしを行うのが効果的で、浴槽の中や入浴後に行って下さい。また筋力訓練は大腿部や膝の周りの筋肉を鍛えて膝関節を支える力を強くすることが目的で、とてもシンプルな体操です。その上にダイエットを組み合わせると、短期間に驚くほど効果が実感できます。膝には歩行や階段の昇降時に体重の数倍の負荷がかかる反面、数kg減量すると膝への体重負担もぐっと軽くなります。またサポーターや足底板、杖などの装具類を上手に使用することで膝関節にかかる負担を軽くしたり、安定化させることができ症状が和らぎます。
その上で日常生活の中に適度な散歩や、水中ウオーキングなど大腿四頭筋を鍛える運動を取り入れることも膝痛に効果があります。また正座や横座り、和式トイレでしゃがむなどの和風の生活スタイルは、脆弱になった膝や大腿四頭筋に負担がかかるので見直す方が望ましいでしょう。椅子やソファ、ベッドなどの高さを一定に保ち、立ち上がりやすくするといったような、普段の生活スタイルの工夫も大切なことですね。

■ ひざ運動

ケガなどで急に膝を痛めた時は2,3日で痛みが軽減することが多いですが、膝関節症の場合は長期に痛みが続きます。お薬などで痛みをとることはできますが、毎日の生活で膝の痛みと付き合っていく自覚も必要です。病気を理解したうえで運動や食生活の見直しなど膝に負担のかけない生活を心がけましょう。今回は膝関節の運動を紹介したいと思います。

運動のススメ

痛みがあると動くのが億劫になりがちですがあまり動かさないと体重増加や筋力低下などの悪循環になります。ある程度まで痛みが軽減したら全身運動のウォーキングやプールでの水中の運動などがおすすめです。ストレッチで筋肉を伸ばし、筋トレで筋力アップをすることでこのような全身運動がよりスムーズに安全に行えます。上手に組み合わせていきましょう。運動は継続することが大切です。特に筋トレは1日数回時間を決めて行うようにしましょう。

ストレッチや運動をする前に

・痛みの強いうちは無理に動かさず、ある程度動けるようになってから痛みのない範囲で動かす。
・やりすぎはより炎症を起こす可能性があるので気を付ける。
・筋力トレーニング・ストレッチ・全身運動をまんべんなく行うことが効果的です。

段運動するメリット

・筋肉や骨の強化・・・運動することで膝周りの筋肉や骨だけでなく関節をつくる靭帯なども強化されます。
・血行促進・・・運動することで関節の血行が良くなり、痛みを軽減する効果があります。
・ダイエット・・・膝にかかる体重の負担はかなり大きいです。運動でのカロリー消費は減量につながります。

ストレッチ・運動法

ひざを守るには太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)の筋力をつけることがポイントです。痛くない方の足も同様に行いましょう。

・《大腿四頭筋の筋トレ》
仰向けに寝て片足を曲げ、もう一方の足を伸ばしたまま10㎝ほど上げる。5秒キープ、5秒休憩、を10回1セットで行う。これを反対の足でも行う。椅子に座って行う時は椅子に浅めに座り片足を90度曲げ片方の足を伸ばしたまま10㎝ほど上げ5秒キープ、5秒休憩を繰り返す。これを左右で行う。

・《おしりと太もも横の筋肉の筋トレ》
横向きに寝て、下になった足を軽く曲げ、上側の足を10㎝ほどほど上げる。5秒キープ・5秒休憩を10回・1セットで行う。反対側の足も同様に行う。

・《太ももの内側の筋肉の筋トレ》
座った状態で太ももの間にバレーボールくらいのもの(クッションや座布団など)を挟み、両足ボールの内側に力を入れ5秒キープ・5秒休憩を10回・1セットで行う。

・《太もも前面のストレッチ》座った状態で足を前に伸ばす。片足だけ正座をするような形に曲げて同じ側の手で足首を持って太ももの前面を伸ばす。余裕があれば上半身を後ろに倒していく。

 

■ 今月のおすすめ

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リハビリ室

大腿四頭筋など膝周りの筋肉へのアプローチとして低周波電気治療や空気圧マッサージ器などがあります。ホットパックで温めるのも効果的です。運動やストレッチもより詳しく紹介させていただきます。

7月 25日(土)  診察 13時30分まで