河崎医院たより 「あけび」

ホーム > 河崎医院たより 「あけび」 > 河崎医院たより「あけび」2014年9月 66号 特集『子供と睡眠/睡眠とホルモン』

河崎医院たより「あけび」2014年9月 66号 特集『子供と睡眠/睡眠とホルモン』

初秋の9月です。コスモスが秋の訪れを感じさせてくれますが、例年残暑は厳しくなる傾向ですね。今回は最近注目されてきた「子供と睡眠」について特集します。

■ 子供と睡眠

よく寝る子はよく育つ

これは昔からの言い伝えですが、現在でも正しい意見です。学童期の子供での理想的な睡眠時間は10時間程度といわれています。しかし現代っ子の実に4-5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害など何らかの睡眠問題を抱えているといわれ、いわゆる「遅寝遅起き」の子供が数多く見られます。厚生労働省調査で、4歳時点で21時前に就寝する子供は5人に1人しかいませんでした。これは親が残業等で帰宅が遅いことも影響し、母親の労働時間が長いほど21時以降に就床する子どもの割合が増えることが判明しています。今後女性の社会進出は進みますが、子どもの睡眠にも影響を与えていることを意識すべきです。

学童期の子供の睡眠の問題

日本の小・中・高校生は世界的に見ても夜更かしをしていることで有名です。夜更かしをしても登校時間は同じですから、睡眠時間は短くなり、朝食も摂らずに登校し、日中には強い眠気をこらえて授業を受ける子どもが数多くいます。そんな子どもは寝不足を週末に解消します。週末に3時間以上遅くまで寝ている子どもは睡眠不足があると考えてよいでしょう。週末に遅くまで寝るとその日の夜に眠れなくなり、月曜日の朝からスッキリしない状態になります。睡眠不足の子どもの数は成長とともに激増しています。原因は様々ですが、「なんとなく夜更かししてしまう」という子どもが最も多いことが判明しており、家庭だけでなく、学校や社会全体での適切な指導が必要です。

睡眠リズム合わせの方法とは

私たちは朝に目覚めて明るい光を浴びてから約14時間後より徐々に眠気を感じるように体内時計(生物時計)がセットされています。ですから7時に起床すると21時に眠気を感じるようになっているという訳です。しかし生活リズムが不規則な子どもでは、毎日の体内時計の時刻合わせがまちまちであるため、寝つき時刻も目覚め時刻も不規則になっていきます。まずは「早寝・早起き」ではなく「早起き・早寝」から始め、1週間、頑張って早起きをさせましょう。そして歯磨きでもしながらベランダに出て日光を浴びる。それが無理なら窓辺で顔を戸外に向けるのでも結構です。1~2週間ほどもこのような取りくみを続けると子どもたちの体内時計は徐々に朝型に変わり、早起きの辛さは減ってきます。早起きさせた分の睡眠時間は早寝になった分で取り返せます。

子供の睡眠障害がもたらすもの

睡眠リズム障害は一生ついて回りますので、将来に様々な病気の種を蒔くことになります。子供の場合には脳の発達にも影響します。また自律神経機能が正常に作動しないため、疲れやすい、食欲不振、めまい、腹痛などの不定愁訴に連結します。また日中に脳がスムーズに働かないため、成績にも影響を与えます。睡眠習慣は幼い頃にきちんとするのが一番です。できるだけ規則正しい睡眠リズムを作るために、家族全員で話し合って下さい。

 

■ 睡眠とホルモン

生まれた時からの睡眠リズムの作り方と睡眠に関係するホルモンを紹介したいと思います。よく理解し、良い睡眠に役立ててください。

赤ちゃんの頃からの睡眠リズム作り

生まれたての赤ちゃんは体内時計が働いていませんが、段々とまとまった睡眠がとれるようになると日中と夜の感覚を覚えさせることが大切です。昼寝をさせたまま放っておいたり大人と一緒に夜起きていたりすると体内時計がくるってきます。幼児期になると子守唄を歌ったり、絵本を読んだり、ぬいぐるみと一緒に寝るなど寝る前に毎日同じことを行うことでスムーズに眠りに入るリズムをつくり、「夜は寝る」ということを認識させましょう。小学生になって困らないように幼児期に睡眠と覚醒のリズムをつくることは大切です。

段睡眠に関係するホルモン

成長ホルモン・・・睡眠開始後30~60分後に分泌されます。成長期に骨や筋肉を作ったり体の組織をつくる大切なホルモンです。また大人にとっても疲労回復や、抵抗力の向上、肌の老化防止や脂肪燃焼など様々な活動に必要なホルモンです。このホルモンは生まれてから成長期までの間に最も分泌されるので、しっかりした体をつくるために子供の頃の睡眠は大切なのです。


メラトニン・・・睡眠ホルモンと言われ、夜に分泌される睡眠周期を調整し入眠を促すホルモンです。メラトニンはセロトニンと大きく関係しています。セロトニンは日中、交感神経が優位な時に分泌され、メラトニンは副交感神経優位の時に分泌され、お互いに拮抗する関係になります。なので、日中のセロトニン量が増えるとメラトニンの分泌も促進され眠りに入りやすくなります。


セロトニン・・・セロトニンは幸せホルモンともいわれ心や体に安心感をもたらします。セロトニンは必須アミノ酸であるトリプトファンから生成されます。肉や乳製品に多く含まれ、糖と摂取することで吸収がよくなります。朝にごはんやパン、卵や牛乳をしっかり食べることをおすすめします。


オレキシン・・・覚醒作用があり、オレキシンの分泌が減ると眠りやすくなります。また、食欲増進作用もあり、睡眠と肥満の関係に影響してきます。

睡眠と肥満

夜更かしや睡眠不足で子供の肥満が増加しているといわれています。睡眠時間が減ると。食欲増進させる「グレシン」の分泌量は増加し、食欲を抑制させる「レプチン」の量は減少します。そして、オレキシンという摂食行動を亢進し、覚醒作用をもつホルモンが分泌され、夜に眠くならず食欲が増してたくさん食べてしまうことになります。食べると眠くなりますがこうなると生活が乱れ睡眠障害や肥満になりがちです。食事をとって寝ると太ると思われがちですが、規則正しい食事を寝る2,3時間前に終わらせしっかり睡眠をとると、成長ホルモンも分泌されむしろ健康でしっかりした体づくりができるはずです。。

 

■ 今月のおすすめ 

精油


精油の成分に酢酸リナリルというものがあります。これは強い鎮静作用をもち、イライラした気持ちや不安な気持ちを落ち着かせてくれます。自律神経を調整し、セロトニンの分泌を促進させ、より良い睡眠に導いてくれるでしょう。酢酸リナリルを特に多くむ精油はクラリセージ、真正ラベンダー、ベルガモットなどです。使用法としては眠る前の芳香浴がおすすめです。

9月13日(土) 12時まで 担当医 河崎Dr.
日笠は講演会の為、休診になります。