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河崎医院たより「あけび」2014年7月 64号 特集『脳梗塞/上手な水分補給』

蒸し暑い真夏の7月です。梅雨が明けると高温の真夏日が続き、様々な救急患者が発生する季節ですね。今回は「真夏の救急疾患―脳梗塞」を特集します。一緒に勉強しましょう。

■ 真夏の救急疾患―脳梗塞

真夏に多発する脳梗塞

脳梗塞は脳血管が詰まり、脳に血液が流れなくなって障害が起こる疾患です。詰まる血管の大きさや場所、原因によって3つに分類されています。
(1)ラクナ梗塞:脳の中の細い動脈が詰まってできる小さな脳梗塞。
(2)アテローム血栓性脳梗塞:頚部や脳の表面を通る比較的大きな血管の内腔が徐々に狭まり、詰まってしまう脳梗塞。
(3)心原性脳塞栓症:心臓内の血栓(血の塊)がはがれて脳動脈を詰めておこる脳梗塞。突然に発症し、重症例が多い。
脳梗塞は血圧が上昇する冬場に増加すると思われがちですが、ラクナ梗塞やアテローム梗塞は1年の内で真夏に最も高頻度に発症します。夏場には多くの汗をかくため、体内の水分が不足し、血液が濃くなって詰まりやすくなると考えられています。

脳梗塞の初期症状

脳梗塞が起こると左右どちらかの麻痺、顔面の歪み、ろれつが回らないなどの症状が現れてきます。三大サインといわれますのでよく覚えておきましょう。麻痺は片側の腕や脚に現れ、うまく立てない、片手が強張るなどが起こります。顔面の歪みは片側の口角が垂れ下がってきたり、動きが悪くなることで判断します。言語の障害はもつれたり、言いにくかったりするとともに「らりるれろ」がうまく言えなくなります。その他にも視野異常で、左右同じ側の視野が半分欠ける同側性半盲や、ふらつきもよくある脳梗塞の症状です。
脳梗塞が起こると脳の血管が詰まって、脳が壊死状態となり後遺症を発症したり、死に繋がることがあります。しかし発症の前に脳梗塞のサインが一過性に現れることも多いものです。これを「一過性脳虚血発作TIA」と呼んでいます。脳梗塞の約3割程度にこの前兆があります。TIAは通常数分~数十分程度で自然に治まるのが特徴で、片側の麻痺やろれつが回らないなど、脳梗塞と同じ症状がおこりますが、脳血管に詰まりかけた血栓がすぐ溶けるために症状が一過性で消失するのです。しかしTIAが起こった24時間以内に大発作を起こす事が非常に多いと判明していますので、軽度の症状の時から専門機関で治療を開始することが大切です。実際この時点で治療に介入すると80%が脳梗塞を防止できます。

脳梗塞が発症した時の救急対応

脳梗塞を疑った時には安全な涼しい場所で、麻痺側を上にして体を締め付けるものをはずして安静を保ち、できるだけ早く救急車を呼びましょう。脳梗塞は発症3時間以内であれば血栓を溶かす「t-PA」という画期的な薬を使え、治癒率が高くなります。早急な専門医への搬送が、生死や後遺症の有無を決定することになります。覚えておきましょう。

 

■ 上手な水分補給

夏は大量の汗をかくことが多いので、しっかり水分補給をしてくださいと言われます。水分不足による脱水症状は、熱中症や脳梗塞を引き起こす要因です。今回は私たちの体と水の関係を考えてみましょう。

体にはどれだけの水分が必要?

私たちの体の60%は水でできています。たとえば体重が60㎏の人だと約36㎏が水分です。日々の生活の中で汗や尿、呼吸などで2.5ℓの水分が失われます。食事や体内で作られる水の量は1.3ℓ。ということは1.2ℓの水分を飲み水で補わなければなりません。

水分不足によるリスク

体内の水分が不足すると、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞のリスクが高まります。5%の不足で脱水症状が表れ、10%の不足で筋肉痙攣や循環不全、20%失うと死に至ります。

水分補給のタイミング

水分を摂取しても体に浸透するまで20分ほどかかります。喉の渇きを感じたらすでに脱水は始まっているといわれていますが、皮膚からも水分は蒸発しています。特に汗をかかなくてもこまめに水分を取りましょう。尿の色が濃くなっているのも水分不足のサインのひとつです。
・スポーツや外の作業で大量の汗をかくときはスポーツドリンクをおすすめします。水より体への吸収を早め、失ったミネラル補給にもなります。
寝る前後の水分補給は脳梗塞予防においてもっとも重要です。夏の暑い時期は寝ているだけで約200ml(約コップ1杯)の汗をかきます。また、睡眠中は血圧が下がり血流が悪くなり血栓ができやすくなります。寝る前と起床時にコップ一杯ずつの水を飲むことをおすすめします。また、夜中トイレの回数が増えることが気になる方もいると思いますが、枕元に水分をおいていつでも飲めるようにしておけば夜中起きた時にすぐに水分補給ができます。

水分補給の注意点

夏の暑い時はビールなどアルコールを飲みすぎてしまいがちです。しかし、アルコールは利尿作用がある為、水分をたくさんとっているつもりでも、飲んだ量以上に尿となって排出されます。アルコールは飲みすぎに注意することと飲酒の最後に水を1~2杯飲むことをおすすめします。
また、エアコンの効いた部屋はとても乾燥しています。快適なので気づきにくいですが、皮膚から体内の水分はどんどん失われているのです。エアコンの中にいると汗もかかず喉の渇きも感じにくいですが、水分を取るように心がけましょう。

 

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7月 28日(土)  診察 13時30分まで