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河崎医院たより「あけび」2014年2月 59号 特集『過敏性腸症候群Ⅱ・ロコモティブシンドロームⅡ』

2月です。まだまだ寒いですが、立春を迎え段々と日照時間が長くなって春めいてきます。今回は前回に続き「過敏性腸症候群Ⅱ」です。治療法を一緒に考えましょう。

■ 過敏性腸症候群Ⅱ

過敏性腸症候群を受け入れることも大切

過敏性腸症候群は器質的な問題がないため保存的治療が行われます。症状が連日の場合には早く完治したいと焦るものですが、病気を受け入れ、うまく付き合っていくことが大切です。過敏性腸症候群では腸内環境を整備することに重点を置き、まずは生活習慣の改善と食生活を考え直してみましょう。規則正しい生活をして、夜間の大食、刺激物や脂肪分の多いものは避ける必要があります。また線維質の多い食品や乳酸菌食品を意識して摂取することで症状が軽快することもあります。薬物療法は便性状に合わせた腸管運動および内容物を調整する薬剤を用います。また内臓感覚や脳の過敏性を調整するため、あるいは自律神経失調症状や精神症状がみられる場合は、抑うつ感や不安を抑える薬を使うこともあります。

過敏性腸症候群に対する漢方治療

過敏性腸症候群は漢方が奏功しやすい病態です。タイプ別に一緒に考えましょう。
●便秘型
大建中湯(だいけんちゅうとう)が効果的です。山椒や生姜が入ったピリカラ味で温めながら、水飴が入っているので、お湯に溶かすと美味しく飲めます。ピリカラ味が腸管の運動を促進し、良い排便が起こるので、ガスが溜まりやすいタイプにも奏功します。玄米やこんにゃく、シイタケ、海藻などの繊維量が多い食物を取りましょう。
●混合型
桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう)は混合型に効果的です。腹痛を伴う場合には芍薬甘草湯を、便秘の場合には大黄甘草湯をそれぞれ合わせて飲むと一層良いでしょう。放屁の多いタイプは豆類、キャベツ、その他の発酵しやすい食品を制限し、炭酸飲料の多飲も避けるようにしましょう。
●下痢型
下痢タイプは元来お腹が弱くて、少し過食するとか、冷えるだけで下痢がおこるものです。また感染性胃腸炎などにも罹患しやすく、その後に一層お腹の調子が不安定になります。人参湯(にんじんとう)や真武湯(しんぶとう)が下痢型には効果的で、腹部を温めます。牛乳やジュースなどの冷たい食品を控え、加熱したものを中心に食べて下さい。
●神経過敏型
日々腹部症状が起こるとそのことが強いストレスになります。そのため交通機関に乗れない、学校に行けないなどの症状を起こすこともあるでしょう。柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)や四逆散(しぎゃくさん)で心身を調整すると効果的な場合があります。また自律神経を安定させる自律訓練法は腸の動きを調整する作用があり注目されています。

 

■ ロコモティブシンドロームⅡ

先月取りあげた、運動器の働きが弱くなり生活に様々な支障をきたすロコモティブシンドローム。運動器は加齢とともに動きが衰え、知らず知らずのうちにロコモになってしまいがち。できるだけ早く自分の体の状態を知ることでロコモを予防しましょう。

ロコモに気づく

歳をとると筋肉や骨の働きが悪くなり、膝や腰が痛くなったり、膝が曲がりにくかったりという症状が出てきます。しかし、それを放っておくと、より一層症状は悪化し、動くのが億劫になり、ロコモにつながります。腰や足が痛いのは歳のせいにするのはではなく、なぜそういう状態になったのか自分の体の変化に向き合ってみましょう。加齢による体の変化は仕方ないですが、筋肉を鍛えたり、食生活を見直すことである程度は改善できます。

ロコモ予防

運動不足や食べ過ぎによる肥満や偏食や食欲低下による栄養不足は筋肉量や骨量を低下させます。ロコモ予防として、『運動を取り入れる』、『食生活の改善』、『日常生活の見直し』などがあげられます。

ロコトレ

ロコモ予防トレーニングのことです。「歩くこと」「立ち上がること」がしっかりできる筋肉を鍛えるトレーニングとして『片脚立ち』と『スクワット』が提唱されています。片脚立ちは歩くときによく働くふくらはぎに筋肉を強化します。スクワットは立ち上がり動作の時に重要な太ももの前の筋肉を鍛えます。トレーニングは無理せず、自分の体調や体の状態に合わせてマイペースで行うことが大切です。また、筋肉トレーニングの前後には使う筋肉をゆっくり伸ばすストレッチを取り入れることで安全にトレーニングができ、しなやかな筋肉をつけることができます。

筋肉と骨をつくる食事

朝昼晩の三食を主食となるご飯やパン(炭水化物)、主菜となる肉、魚(タンパク質)、副菜となる野菜や海藻(ビタミン・ミネラル)をといった栄養素のバランスを考えながら摂取することが大切です。
筋肉をつくるためのタンパク質は肉、魚、たまご、乳製品、大豆製品に含まれます。歳をとると肉や乳製品を控えがちですが、タンパク質のアミノ酸構成は食品によって違うので色んな食品を組み合わせてタンパク質を取るようにしましょう。
骨をつくるにはカルシウムを取れば大丈夫と思いがちですが、干ししいたけに含まれるビタミンDや納豆や青菜に含まれるビタミンKも同時に取ることによってカルシウムの吸収が高まります。カフェインやインスタント食品はカルシウムの吸収を阻害するので控えましょう。

 

■ 今月のおすすめ

ロコトレ~ロコモ予防トレーニング~

・片脚立ち
机を両手で持ち右足を上げ、そのまま左足のかかとを2秒上げて下ろす。
10回1セットで左右行う。

・スクワット
足を肩幅に開いて膝がつま先より出ないようにゆっくり3秒ほどかけて落していき、ゆっくりと元の状態にもどす。

どちらも1日3セット行うのが理想的。。

2月1日(土)  診察時間 12時までに変更