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河崎医院たより「あけび」2014年12月 69号 特集『機能性ディスペプシア/胃の働きを助けるツボ』

年末が来ると、急に世間が忙しく感じますね。今年の締めに忘年会を楽しむという方も多いと思います。今回は最近話題の胃の病気「機能性デイスペプシア」を特集します。決して他人事でありませんので、一緒に勉強しましょう。


 

■ 機能性デイスペプシア

機能性ディスペプシアは日本人に多い病気

胃の痛みや胃もたれなどのつらい症状が続いているにもかかわらず、内視鏡検査などを行っても異常がみつからないということを経験したことはありませんか。このように検査で胃に異常がないのに不快な症状が続く状態を総称して「機能性ディスペプシア」と呼びます。「機能性ディスペプシア」という病気の概念は、近年になって新しく確立したもので、それまでは「慢性胃炎」や「神経性胃炎」などと診断されていました。日本人の4人に1人は機能性ディスペプシアを発症しているとされ、決して珍しい病態ではありません。機能性ディスペプシアには2つのタイプがあります。一つは食後愁訴症候群(PDS)と呼ばれ、食後のもたれ感や少し食べただけでお腹が一杯になったと感じる早期飽満感を主とするもの。もう一つは心窩部痛症候群(EPS)といって、みぞおちの差し込む痛みや焼ける感じが起こりやすいタイプです。これらの症状は重なって現れることも少なくありません。
日本人は農耕民族で、何千年にわたり穀類や野菜を中心とした淡白な食生活をしてきました。そのため胃の消化能力はそれほど強くありません。しかし現代は脂濃い肉類の摂取量が多く、過食気味で、不規則な食生活になりがちです。そのような日々の生活スタイルこそが機能性ディスペプシアを作り出しているといっても過言ではありません。薬に頼る前に、まずは自身の生活スタイルを見直すことから始めましょう。

機能性ディスペプシアには漢方薬が効果的

昔から胃弱体質という表現があり、少食で常に胃の不快感を訴えやすいタイプの人を言います。このような体質を東洋医学では「脾虚」と呼びますが、機能性ディスペプシアの食後愁訴症候群に近い病態です。このような脾虚タイプに最も効果的な漢方が六君子湯(リックンシトウ)です。神経質な人は香蘇散(コウソサン)と併せて飲むと更に効果があります。消化がよく、温かい食べ物を中心にゆっくりと咀嚼して食べて下さい。
また食事の前後にみぞおちの差し込む痛みや焼ける感じがある心窩部痛症候群(EPS)タイプは脾胃不和といって、消化と吸収のバランスがうまくいかない病態でおこりがちです。もちろんストレスや不規則な食生活の影響も濃厚にあります。この場合には半夏瀉心湯(ハンゲシャッシントウ)や柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)が効果的です。香辛料やアルコール、遅い時間の飲食は控え目にしましょう。
冷え性体質や冷飲食の摂取過多、冬場の冷えなどで脾胃が冷えて胃部痛が悪化するタイプは、倦怠感なども伴いやすいものです。心下の痛みと共に下痢を伴うものは人参湯(ニンジントウ)、嘔気があるものは小半夏加茯苓湯(ショウハンゲカブクリョウトウ)、ゲップや胸焼けを伴う場合には安中散(アンチュウサン)を飲むと、冷えや頭痛などの随伴症状も良くなります。

 

■ 胃の働きを助けるツボ

胃が重く感じたり、消化不慮、きりきりした痛みなど、不快感を感じている方は少なくありません。そんな時のおすすめ対処法として、ツボやマッサージをおすすめします。簡単にできるので是非お試し下ださい!胃の調子を整えて楽しく年末を乗り切りましょう♪

経穴(ツボ)

体には経絡と呼ばれる経穴をつなぐ線路のようなものがあります。この中で胃経、脾経という経絡上にある経穴は胃の働きを助けるものが多く、その流れに沿ってマッサージするだけでも効果があります。

《胃経》 目から始まり口、顎を通り耳のほうへ輪郭に沿って上がり、首へ降りてきます。鎖骨のあたりから胸部から腹部へ、おへその横を通り太ももから膝、スネと足の前外側を通り、足の甲を通り第二指の外側に終わります。
・天枢・・・・(おへその横指三本分外側) 胃腸の働きを整えるツボ。便秘の時もよく使います。
・足三里・・・(膝の下外側のぽこっと触れる骨の少し下)膨満感や食べ過ぎ時の消化を助けるツボ。
・豊隆・・・(膝の外側下と外くるぶしとの中間、スネの筋肉の外側)胃酸の出すぎを防ぎ胃を守る働きをするツボ

《脾経》 足の親指の内側から始まり足の内側を上がり、そけい部を通り胃経より外側の腹部、胸部を通り、第六肋骨の大包で終わる。
太白・公孫・・・(足の親指のつけ根内側の大きな骨の手前二つ並んでいる)食欲不振や消化不良、吐き気。腹痛の時に

《その他》
・中脘(ちゅうかん)・・・(おへそとみぞおちの中間)胃腸の働きを活動的にするので食欲不振に刺激すると効果的。腹痛時や吐き気の時は温めることがおすすめ。
・胃兪(いゆ)・脾兪(ひゆ)・・・(背中の下の方背骨、第11、12胸椎の左右外側)ストレスによる胃部不快感に。

おすすめの対処法

上記の経穴を指でグーッと押して刺激したり、せんねん灸などで温熱刺激してみてください。
消化不良や膨満感など強めの刺激、吐き気や腹痛の時は温めたり手を当てておくだけでもいいでしょう。
日ごろの食事や運動で体を温めることはもちろんですが、胃のきりきり感や不快感を緩和したい時は胃部を直接温めるのも効果的です。カイロやぬるめの湯たんぽを中脘や兪(いゆ)・脾兪(ひゆ)にあて患部を温めるととても気持ちがいいと思います。

 

■ 今月のおすすめ

ちょっぴり大人のしょうが湯

こちらのしょうが湯は生姜だけでなく山椒や高麗人参、本葛などが入っているので体を温め、胃の働きを助け胃の不快感を和らげます。
風邪の時だけでなく、お腹を温めたい時や胃腸の調子が悪い時にもお試しください。

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ちょっぴり大人のしょうが湯
¥860

年末年始のお休み 12月30日(火)~1月4日(日)
年始の診察は  1月5日(月)からになります。