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河崎医院たより「あけび」2014年11月 68号 特集 『肥満がもたらす―糖尿病/運動しよう!』

紅葉の季節11月です。つるべ落としに日が短くなりますね。今回は前回に続いて「肥満がもたらす―糖尿病」を特集します。10月号と一緒にお読み頂くと理解が深くなりますよ。

 

■ 肥満がもたらす―糖尿病

肥満は糖尿病の大敵

肥満になると、血糖を処理する能力が低下し、軽い糖尿病状態になる人が増えてきます。軽度肥満の頃にダイエットすると改善するのに、そのまま放置し続けて本格的な糖尿病になってしまったものを「肥満糖尿病」といいます。最近は肥満の程度を簡単に計算できるBMIを使って考える方法が一般的になりました。BMI =[体重 (kg) ÷身長 (m) ÷身長 (m)]で計算され、25以上で肥満と判定され、27以上になると糖尿病になる危険性は2倍になることが判明しています。
肥満になるとインスリンの必要性が増すため、糖代謝を支えるすい臓などの各組織が、それぞれの持ち場でフル回転し、肥満という事態に対応します。しかしその状態が長引くと、血糖を処理する役目の部分に次々異常が起こり、糖代謝のサイクルが狂ってきます。いくつかのそうした異常が重なって糖尿病が発症します。

肥満糖尿病には糖質制限食が最も効果的

肥満糖尿病の治療の最大の目的は、細胞がもっているインスリンの感受性を回復させ、正常な血糖状態をとり戻すことです。それには、何より体重を減らすことが先決です。3kg 減らすだけで、インスリンの感受性や血糖コントロールが、目に見えて改善すると言われます。そこでダイエットを兼ねた最善の治療法である糖質制限食をご紹介しましょう。元来日本の糖尿病の食事療法は一定のカロリー内で、炭水化物を中心として、蛋白質、脂質をバランスのよい割合で食べるというものでした。それに対して、糖質制限食は、ご飯を中心とした主食であるご飯、パン類、麺類などの炭水化物や甘いお菓子、ジュース類、果物などを制限する食事方法で、その代わりに蛋白質や脂肪はかなり多めに摂取してもよいという考え方です。そうすると一日の摂取カロリーは脂肪が中心となり、糖分はそれに次ぎます。血糖というのは炭水化物摂取後に即時に上昇しますが、脂肪や蛋白質を摂取しても血糖は上昇しません。ですから三大栄養素を均等に減らすのではなく、炭水化物だけを大きく減らせば、効率良く血糖低下が起こるということがわかってきました。同時に糖質制限では急激な食後の血糖上昇が防げるため、すい臓からのインシュリンの追加分泌が少なくなるので、すい臓を休ませると共に、肝臓でアミノ酸などから糖新生が行われ、それによってエネルギー消耗が大きくなって、痩せやすい身体になることができます。
まさに肥満糖尿の方にとっては一石二鳥の方法と言えるでしょう。この治療法は京都の高雄病院江部康二先生が中心となって提唱してきた考え方ですが、最近急速に広まりつつあります。その上で適度な毎日できる運動を心がければ、確実な効果が実感できます。
糖質制限食に関しては当院でも関連した本を販売しておりますし、医療的な必要のある方には栄養指導も行っていますので、気軽にご相談下さい。

 

■ 運動しよう!

お隣の徳島県は糖尿病死亡率が全国ワースト1位とされています。原因のひとつは車生活。私たちの住む淡路島も同じく車保有率も高く、車の移動が多く歩くことが少なくなってきているのはないでしょうか。運動を心がけることは糖尿病などの生活習慣病の予防になります。運動のメリットやポイントを紹介したいと思います。

運動と糖尿病

運動する=体を動かすということは筋肉を使います。筋肉を動かすときに必要なエネルギーは血液中の糖なんです。つまり、筋肉をどんどん使うと血糖値が下がるわけなんです。
食後は血糖値が上がりインスリンが分泌され、糖は肝臓へ取り込まれますが、肥満の方は脂肪細胞がインスリンの働きを阻害します。普段から運動をして肥満を予防することはインスリンの効果を高め、食後血糖値の急激な上昇を抑えられます。

運動するメリット

運動し、肥満を防ぐことは糖尿病を予防するだけではなく、高血圧や高脂血症などの生活習慣病の予防になります。筋肉や関節を動かすことで骨や筋肉も強くなり、足腰の強化につながります。また筋肉がつくと疲れにくく、カロリー消費されやすく太りにくい体になります。昼に体を動かすとストレス発散になり、夜も眠りやすくなります。筋肉を動かすことで血行も良くなり冷えの防止にもなります。

適度な運動量とは?

年齢や性別、体力や体の状態などにより、どのくらいの運動が適しているかは異なります。特に体に痛みのある方は無理に運動する必要はありません。
目安は運動直後の脈拍数は100~130、お話ししながら運動できるくらいです。1日1時間のウォーキングや『今より10分多く体を動かそう』など厚生労働省は「健康づくりのための身体活動基準2013」として定めています。参考にしてください。

おすすめの運動

大きい筋肉ほどエネルギーを消費するので、太ももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えて動かすことが効率的です。最も簡単で良いのは歩くこと(ウォーキング)です。まずはゆっくり、短い時間から始めてください。慣れてきたら走り出すくらいのスピード(時速6km/時)で走る『スロージョギング』、3~5分の早歩きとゆっくり歩きを繰り返す『インターバル足歩』も筋肉を鍛えるのに効果的と言われています。大切なのは楽しく運動すること。運動が楽しみになると長く続けられるからです。週に一回でもいいので無理のない程度に運動を始めてみましょう。

 

■ 今月のおすすめ

エルゴサイザー

先月に引き続き当院のリハビリ室の紹介になります。エルゴサイザーは座って自転車こぎをするマシンになります。座って行うことで太ももの筋肉に加え腹筋も鍛えられます。この2つの筋肉は体の中でも大きな筋肉になるのでエネルギー燃焼には効果的です。診察の待ち時間をプラス10分の運動に取り入れてみてください。

erugo.jpgのサムネール画像

 

11月15日(土) 12時まで 担当医 河崎Dr (日笠Dr.休診) 
11月19日(水)          休診