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河崎医院たより「あけび」2014年 1月 58号 特集『過敏性腸症候群・ロコモティブシンドローム』

甲午(きのえうま)平成26年です。甲(きのえ)・午(うま)は陽の気が盛んな組み合わせ、今年も暑い天気になるのか心配ですね。運気的には経済などの勢いの良いめぐりといわれます。皆様にとって健康に恵まれた良き1年になりますようお祈りしております。

■ 過敏性腸症候群

過敏性腸症候群は腸の慢性病

腸の検査や血液検査で明らかな異常が認められないのに、腹痛や腹部の不快感を伴って、下痢、便秘などの症状を慢性的に繰りかえす病態が過敏性腸症候群です。過敏性腸症候群は便の性状によって「便秘型」、「下痢型」、「混合型」に分類されます。慢性的に便中の水分量が少なくうさぎの糞のようなコロコロ状態~硬い便などになるのが便秘型です。逆に便中の水分量が多くなり、形の定まらない泥状便や水様性便になるのが下痢型です。その中間で下痢、便秘を交代する混合型もあります。その他、腹部膨満感、腹鳴、放屁などのガス症状も比較的多くみられます。この病気は日本を含む先進国に多く、日本人では10人の1人に認められ、消化器科を受診する人の3分の1を占めるほど頻度の高い病気です。発症年齢は20〜40代に多く、男性では下痢型、女性では便秘型が目立ちます。日常的に症状があるものの、進行することもないため、半数程度しか医療機関を受診していないともいわれていますが、若い年代に多いだけに悩みは深いと考えられます。
 

ストレスや腸内環境が原因

過敏性腸症候群の発症には体質や育ってきた環境、不規則な食生活などと共にストレスが大きな引き金となっています。脳がストレスを感じると興奮が起こり、それが自律神経やホルモンを介して腸に伝わります。すると腸運動に変化が起こり、動きが激しくなって腹痛や下痢になったり、反対に腸運動が不規則になって痙攣を起こすと腸から便をうまく送り出すことができなくなって便秘になります。その結果生じた不快感が脳に再度伝わるとさらに一層の緊張を脳に生んでストレスを増幅させていきます。そのため腹部症状以外に頭痛、疲労感、抑うつ、不安感、集中力の欠如など多彩な症状を呈することがあります。
最近では過敏性腸症候群の原因として腸内細菌や感染性腸炎などが注目されています。様々な細菌やウイルスによって感染性腸炎を発症すると、その直後から腸内が過敏になり、下痢や便秘などを慢性に起こしやすくなることが分かってきました。また腸内には元来健康に有効な善玉菌と有害な悪玉菌が居ますが、このバランスが食生活やストレス、腸炎などで崩れると過敏性腸症候群が起こりやすくなるといわれます。

慢性の腹部症状なら医療機関を受診しよう

慢性的な腹部疾患といっても過敏性腸症候群以外にも潰瘍性大腸炎やクローン病などもありますので、一応専門医での診察を受けてから判断してください。過敏性腸症候群は排便で改善することや食後に増悪すること、他人と一緒の時に症状が強く、一人で安心している場合には症状がないなどの特徴があります。次回号では治療法を一緒に考えましょう。

 

■ ロコモティブシンドローム

「メタボ」の認知度は高まっていますが、通称『ロコモ』、みなさんご存知でしょうか?ロコモティブシンドロームとは、「運動器症候群」と言われ、将来、要介護状態になったり、寝たきりになる危険性の高い状態のことを言います。詳しく勉強していきましょう。

ロコモって?

運動器症候群の運動器とは骨、筋肉、軟骨のことを言います。これらの動きの連携がうまく働くことで歩行や日常生活の動作ができます。しかし、運動器の状態が悪くなると、痛みやふらつきが生じ、転倒や骨折の危険性が高まります。そして運動量が少なくなると筋力もどんどん低下し、その結果、寝たきりや要介護の危険性が高くなります。このことをロコモティブシンドロームと言います。50歳を過ぎると7割以上の人がロコモの可能性があるといわれています。

ロコモの原因

ロコモの原因はのひとつは骨粗しょう症や膝や股関節などの変形性関節症、脊椎管狭窄症など「骨や関節の病気」。このような病気になると痛みや長時間の歩行ができなくなり動きづらくなって筋力の低下につながります。もう一つは運動習慣ない生活の中で自然に起こる「筋力の低下」、そしてそれに伴う「バランス能力の低下」が考えられます。こうなると転倒しやすくなりケガや骨折のリスクが高まります。病気と違って気づきにくいのが問題です。

 

■ 今月のおすすめ 

ロコチェック・ロコモテスト

自分の体の状態を知ることは大切なことです。ロコチェックやロコモテストで気づくことは多いはず!ぜひやってみてください。

●ロコチェック
ひとつでも当てはまるとロコモの疑いがあります。

・片足立ちで靴下が履けない
・家の中でつまづいたり滑ったりする
・家の中でのやや重い仕事(布団上げや掃除機)が困難
・階段を昇るのに手すりが必要
・15分くらい続けて歩けない
・横断歩道を青で渡りきれない
・2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難


●ロコモテスト
高さ40cmの台に浅く腰を掛けそこから片足だけで立ちあがります。片足だけで自分の体重を持ち上げられるかのテストです。これがふらつかずにできたら40~50歳くらいの筋力があると評価されます。
片足で立ち上がれなかった方は、20cmの台に座り、そこから両足で立ちあがります。これがふらつかずにできたら約70歳台の筋力とみなします。 このテストは自分の下半身の筋力がどの程度か知ることができます。

1月は診察時間の変更はありません。