河崎医院たより 「あけび」

ホーム > 河崎医院たより 「あけび」 > 河崎医院たより「あけび」2012年5月 38号 特集『下肢静脈瘤/下肢静脈流の予防法』

河崎医院たより「あけび」2012年5月 38号 特集『下肢静脈瘤/下肢静脈流の予防法』

山々の新緑が美しい春欄満の5月です。風も気持ちがよい頃ですので、郊外での活動を増やしましょう。今回のあけびでは女性に多い「下肢静脈瘤」を特集します。

■ 下肢静脈瘤

女性に多い静脈瘤

心臓から拍出された動脈は静脈を経て心臓に戻っていきますが、下肢のふくらはぎ周辺では静脈の速度は遅く、歩行などの筋肉運動も手伝って血流が上方へ流れて行きます。しかし長い立ち仕事や運動不足などがあると、筋肉が動かないので静脈が押し上げられなくなって静脈内に停滞し、静脈弁に過度の負担がかかって弁が壊れ、血管が逆流して静脈の下の方にうっ滞を起こしてしまいます。その結果、静脈が拡張してコブ状に盛り上がったり、蛇行したりするようになります。これが下肢静脈瘤です。脚の静脈には深部静脈と伏在静脈がありますが、静脈瘤は皮下にある伏在静脈に起こってきます。長時間立ちぱなしの仕事の方に多いのですが、出産などとも関係することから女性におこりやすく、約4割の女性に見られるとの報告もあります。

下肢静脈瘤の症状

静脈瘤の自覚症状としてはむくみ、だるさが圧倒的に多く、静脈弁不全のある側の脚に現れ、午後~夕方に悪化しやすいのが特徴です。また就眠中の「こむら返り」も起こりやすく、むしろ静脈瘤が軽い時期によく見られます。その他「うっ滞性皮膚炎」といって静脈瘤周辺に発赤や痒みを伴う湿疹ができることがあります。中には潰瘍に発展する場合があるので、早目の治療が必要です。

下肢静脈瘤の主な治療方法

上記のような特徴のある下肢静脈瘤を認めた場合には医療機関での診断をお勧めします。最近は血管外科などで簡単な日帰り手術も行われていますが、最初は保存的な治療で経過を見ることが一般的です。まずは日常生活を見直し、適度な運動を心掛けて下さい。
漢方では下肢静脈瘤のような血のうっ滞は「瘀血」と称され、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)や当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)などの温めながら瘀血を改善する薬が主に使われます。しかし静脈炎などの炎症を起こして熱感を伴う場合には越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)といった清熱薬の漢方を飲む場合もあります。その他夜間のこむら返りには芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)を眠前に飲むと予防できます。
また脚を強く圧迫する「弾力ストッキング」をはいて血液が静脈にうっ滞するのを防ぐと、静脈瘤は改善しなくても自覚症状はかなり軽くなります。
これらでも改善のない重度の場合は、「硬化剤」を静脈に注入して血管を固めてしまう治療法が主流で、10分程度の時間で加療できます。最近では弁不全のある大腿部の静脈に「レーザーファイバー」を挿入し、静脈の内側からレーザー照射で焼いて血管を塞ぐ新しい方法も保険適応になってきています。

■ 下肢静脈瘤の予防法

今回は静脈瘤を予防する方法を考えていきましょう。

運動

足の筋肉を鍛えると血液を心臓に戻そうとする静脈の働きがよくなるので、運動はおすすめです。しかし、ランニングやエアロビクスのような激しい運動は逆に下肢静脈瘤を悪化させてしまうことがあり、ウォーキングや水泳が効果的と言われています。運動する時間のない方は簡単な足の運動でも筋力アップや血流改善になります。どんなところでも簡単にできるものを紹介します。

☆簡単運動法☆ ・つま先立ち運動・・・足を肩幅に広げ、つま先立ちをする。10秒を10~20回。
・つま先上げ運動・・・座った状態でかかとをつけ、つま先を上げる。(立って行ってもよい)
・足首回し運動・・・仰向けに寝た状態で足を肩幅にして足首を回したり、前後に屈伸する。10回。
・寝るとき・・・足首の下にタオルを入れて15㎝ほどあげる。

マッサージ

リンパドレナージュなどマッサージは血液やリンパの流れを良くするので静脈瘤の予防や足のむくみなどにも有効です。お風呂の中や、お風呂あがりに行うとより効果的です。
先に、かかとの周りや膝裏などは軽く押すような感じでほぐしておきます。その後、足首から膝にかけて下から上へ向かってマッサージをします。強く押さずに手を当てて上にあげるくらいの力で十分です。特に足の内側やふくらはぎの部分などをほぐしましょう。
☆注意
予防としてマッサージをするのは効果的ですが、デコボコした静脈瘤がある方は皮下出血などをする恐れがあるので患部は触らないようにしてください。

弾性ストッキング

足首から上部にかけて圧迫する圧力が徐々に減少し、静脈血が心臓に戻る働きを助けます。だるさやむくみなどは軽減しますが、根本的な治療にはなりません。予防や軽い静脈瘤の進行を抑えるのには有効です。

セルフチェック

足の疲れやだるさ、むくみを感じやすい方は静脈が浮き出ていないかチェックしてみましょう。
・太ももの内側や外側   ・ふくらはぎや膝うら   ・膝下の内側

 

 

■ 今月のおすすめ

弾性ストッキング

当院では靴下タイプとスットキングタイプがあり、膝下、股下の2タイプがあります。圧力の強さも選べるので体に合ったものを選んでいただけます。足の疲れを感じやすい方は是非一度試してみてください。

61tx05klsHL.jpg

弾性ストッキング
\3.150~

5月連休の診察日
 5月1日(火曜) 通常通り
 5月2日(水曜) 12時まで担当日笠に変更