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河崎医院たより「あけび」2011年2月 23号 特集『更年期障害(2)/症状緩和のアロマセラピー』

酷寒の2月です。しかし花粉症も起こりはじめ、早春の走りの時期ともいえます。そろそろ身体も春に向かって変化をはじめますよ。前回に続いて更年期障害の漢方治療編です。

■ 更年期障害(2)

更年期の漢方的な考え方

東洋医学では五臓の一つである腎を泌尿器管としての働きだけでなく、生命エネルギーの源と考え、成長を促進させたり生理や生殖活動を調節したりというような、ホルモンに働きかける機能があると考えていました。このような腎の働きの上に、気血をめぐらす働きがある肝がバランスよく働いて、定期的に生理がやってくるとされたのです。
卵巣機能が衰弱する更年期は、漢方的に言い換えると、腎の機能が低下してきます。これを腎虚(ジンキョ)といいます。腎虚とは老化のことでもあり、様々な不定愁訴と共に、腰痛や筋力低下、冷えなどもおこってきます。また更年期には感情と関係する肝の働きも乱れるために、イライラやのぼせなどの症状もおこりやすくなると漢方では考えます。また日本漢方では、江戸時代から婦人科疾患を「血の道の病」とも称し、血の不足である血虚(ケッキョ)や血の停滞である瘀血(オケツ)、また冷えなどが根本原因であると考え、治療する側面もあります。

更年期の漢方的治療

中国医学では更年期に対する治療として、腎虚や肝の気血を補う、六味丸(ロクミガン)八味丸(ハチミガン)などを用います。これらは更年期以降に続く老年期にも対応でき、根本的な部分での身体の不足を補うと考えられます。
また瘀血や血虚の薬である、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)や温経湯(ウンケイトウ)などの血の道の漢方薬を用いて更年期症状を改善させたり、女神散(ニョシンサン)で気血の乱れを整えたりします。具体的な症候別に述べてみますが、この他にもかなり多用な治療方法があります。
(1)血管運動神経症状:急激な発汗を伴うのぼせ(ホットフラッシュ)や動悸など
これらは女性ホルモンの低下によっておこる代表的な症状です。漢方では上半身の熱症状と捉え、黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)や三黄瀉心湯(サンオウシャッシントウ)で熱をさまします。血の道の薬である女神散(ニョシンサン)や桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)も即効性があります。
(2)精神神経症状:不眠、イライラ、無気力感など
イライラや不安には肝気の鬱滞を取り、頭の血熱も冷ます加味逍遙散(カミショウヨウサン)が効果的ですし、不眠症には血を補う酸棗仁湯(サンソウニントウ)が使われます。
(3)不定愁訴:疲労感や冷え、関節痛など
冷えや重だるさ、関節痛などは、腎虚症状と考えられます。この場合には、六味丸(ロクミガン)や八味丸(ハチミガン)を使い、冷えがあれば五積散(ゴシャクサン)もよい処方です。

 

■ 症状緩和のアロマセラピー

精油の中にはエストロゲン様作用といって更年期に減少してしまったホルモンとよく似た働きをするものがあります。また、鎮静作用や、興奮作用(元気になる)を持つものは心理面へも働きかけます。このように精油には自律神経や、内分泌系、精神面に働きかけるものが多く、この効果をうまく利用することで症状緩和に期待できます。
最近では20~30代の女性にも更年期症状を訴える方が少なくありません。今回紹介する精油はこういう場合も効果的ですが、女性ホルモンの分泌に影響するものがあるので、妊娠中や妊娠の可能性のあるの方は専門家に相談のうえご使用ください。

各症状別のおすすめ精油

【ホットフラッシュ、動悸、ほてり、発汗】
クラリセージ
ペパーミント
ゼラニウム
※香りを嗅ぐだけの吸入法やぬるめのお湯でゆっくり入浴など。ほてりにはペパーミント、
発汗やのぼせにはクラリセージが特に効果的。
クラリセージはエストロゲンとよくにた働きをして、女性のホルモンバランスを整えます。

【不安、イライラ・不眠】
イランイラン
スイートオレンジ
マンダリン
ラベンダー・アングスティフォリア
クラリセージ
※鎮静作用のあるものやリラックス効果のあるものを選びます。不眠にはラベンサラもおすすめ。
 
【むくみ・関節痛】
サイプレス
ゼラニウム
※サイプレスはむくみに最適。ヒノキに似た香りで不安感を取り除いてくれます。

【倦怠感】
アカマツヨーロッパ
ゼラニウム
ラベンサラ
※アカマツヨーロッパは心身ともに活力を与え元気にさせます。

【無気力・うつ】
ローズマリーカンファー
アカマツヨーロッパ
プチグレン
※ローズマリーは血行促進作用もあり、気持ちも頭もすっきりさせてくれます。

アロマセラピーの効果的な使用法

自律神経症状、精神症状、ホルモンバランス調整・・・吸入法(嗅覚器や呼吸器から吸収)
関節痛や手足のこわばり、むくみ、倦怠感・・・マッサージ、塗布法(皮膚、呼吸器から吸収)

 

■ 今月のおすすめ

 精油

今回紹介したように精油には自律神経や、内分泌系、心理面に働きかけるものなど、様々な効果を持つものがたくさんあります。香りの成分がこのような働きかけをするので自分に合った香りを探すことも重要です。アロマセラピーで体の不調を改善を試みてはいかがでしょう。
当院ではアロマセラピー学会認定者がアドバイスさせていただきます。

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精油¥1,050~

2月は診察時間の変更はありません。