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河崎医院たより「あけび」2010年6月 15号 特集『低血圧症』

アジサイが美しい梅雨の季節6月です。今回は脳貧血とも称される『低血圧症』を特集します。夏場には多くなる病態ですので、一緒に勉強しましょう。

■ 低血圧症

(1)低血圧症とは

低血圧は一般的に最高血圧(収縮期血圧)が100mmHg未満であるものを指すことが多く、約9割は原因が明確でない『本体性低血圧症』とよばれるものです。低血圧に伴って、疲労感や立ちくらみ、めまい、頭痛、動悸、息切れ、食欲不振、冷え症など自律神経障害に起因する多様な訴えがみられることが少なくありません。若い女性や学童期の子どもに多くみられ、集中力の低下や朝の起きにくさから不登校のきっかけになることもあります。身体への危険性は少ないと考えられますが、これといった治療法もないだけに悩んでいる方も多くみかけます。漢方薬は不定愁訴にとても効果的ですので、低血圧症も良い適応疾患になっています。タイプ別にご紹介しましょう。

(2)低血圧症のタイプ別治療法

脾虚タイプ:めまい、食思不振、嘔気などを訴えやすく、不規則な食生活、冷飲食過多などで悪化やすいタイプ。元来胃腸機能が弱く、水のうっ滞をおこしやすい。苓桂朮甘湯(レイケイジュツカントウ)、五苓散(ゴレイサン)という水をさばく薬でめまいなどの急性症状を取った後、補中益気湯(ホチュウエッキトウ)という胃腸機能を活発にし、補気する漢方で体質改善する。
気血両虚タイプ:長い時間の立位を取ることで立ちくらみを起こしたり、冷えや疲労感などを訴えやすく、睡眠不足や過労、月経などで悪化しやすいタイプ。十全大補湯(ジュウゼンダイホトウ)、加味帰脾湯(カミキヒトウ)で気血を補い、全身状態の改善をはかることが大切。
気滞タイプ:頭痛、肩こり、めまい、便通異常などを訴えやすく、精神的ストレスや不規則な生活などで悪化しやすいタイプ。体力がそれ程ないのに仕事やストレスが過剰になっていることなどが原因となる。柴胡桂枝乾姜湯(サイコケイシカンキョウトウ)、香蘇散(コウソサン)などで気のうっ滞を取ると同時に、気を補うことで症状が改善する。

■ 低血圧症の改善法

低血圧症は血圧をコントロールする自律神経障害です。生活のリズムや食事、運動などが薬以上に大切です。養生を心がけることで症状が随分改善されます。

睡眠

寝るときに働く副交感神経が朝になってもまだ強く働いていることによって目覚めが悪くなります。10分でも早く寝て、早起きを心がけましょう。朝にシャワーを浴び、朝食をとることで交感神経の働きが高まり、症状が緩和されます。自律神経のスイッチの切り替えをよくすることが大切です。

食事

卵、肉、魚など、エネルギーが高く、タンパク質の豊富な食事をとるようにします。血圧を上げるカフェインの入ったコーヒーやお茶もおすすめです。
塩分をすこし多めにとるのもよいでしょう。
食後は安静にして血液を内臓へ回しましょう。

運動

適度な運動は血液の循環をよくします。特に足の筋肉を鍛えるとよいでしょう。下半身の筋肉が収縮すると筋肉のポンプ作用で血液が心臓に戻ります。ウォーキングや体操など簡単な運動で十分ですが続けることが大切です。
運動時、汗をかくと血圧低下になるので十分な水分補給を行ってください。塩分を補給することも大切です。

弾性ストッキング

足の末梢血管に血液がたまることで低血圧の症状を悪化させます。弾性ストッキングは段階的に足先から上に段階的に圧力が弱まることで血液に体に戻し、血圧の低下を防ぎます。

アロマセラピー・・・ペパーミントローズマリー・カンファー、クローブ。

血管拡張作用や血圧上昇作用のある精油はペパーミントローズマリー・カンファー、クローブなど、スパイシーな香りのものが多いです。スプレーやマッサージオイルを作って使ってはいかがでしょう。刺激の強いものが多いので濃度には注意しましょう。また、高血圧症の方はこれらの精油は使わないようにしてください。

■ 今月のおすすめ 

弾性ストッキング

弾性ストッキングは、「段階的圧迫法」といって足先の圧迫圧が一番強く、上部にいくにつれて圧迫圧が段階的に弱くなるように設計されています。このため血液が末梢にたまりにくくなります。
ご自分に合ったものを選んでいただくことが大切ですので、ご希望の方はスタッフに声をかけてください。

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弾性ストッキング
¥3,460~

6月5日(土)は12時まで。担当は河崎Dr.
      (日笠Dr.休診です。)