(1) アレルギー性鼻炎
 アレルギー性鼻炎はアトピー、喘息と並んで、最近増えつつあるアレルギー素因がもたらす疾患の一つです。ハウスダスト、ダニがアレルゲンの場合は一年中、花粉類がアレルゲンの場合は花粉の飛ぶ時期に一致して、鼻水、くしゃみなどの症状が起こってきます。東洋医学的には、鼻炎は過剰な体内の水湿が作り出す病であると考えられています。

1、冷え症
 東洋医学では、冷えや水湿は陰に属する病と考えられ、共に生じやすいと言われています。冷え症の人は同じように生活していても、冷えない人に比べて水を体に余分に貯めやすい傾向があります。冷たい果 物、生野菜、清涼飲料水を取り過ぎたり、体を冷やしたりすると、局所的に余分な水が貯まってきます。それが鼻粘膜にあふれると鼻水となるのです。冷えによる鼻水は、薄くさらさらしているのが特徴です。小青竜頭(しょうせいりゅうとう)や麻黄附子細辛湯(まおうぶいしさいしんとう)などの漢方が有効です。また、冷え症で鼻づまりが強いタイプには葛根湯加川キュウ辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)が有名です。

2、胃腸機能の低下  
  胃腸の機能が低下すると、飲食物からの水をうまく吸収代謝できず、体の一部に病的に貯める事となります。特に偏食する子供、夜遅くまで飲み食いする人の鼻炎にはこの傾向が見られます。子供の場合には六君子湯(りっくんしとう)、大人の暴飲暴食による鼻炎には防風通 聖散(ぼうふうつうしょうさん)などが使われます。
 
(2) 蓄膿症(副鼻腔炎)
 鼻の奥には鼻のあなと交通した副鼻腔と呼ばれる5つの空洞部位があり、その部位 の粘膜や骨の炎症を蓄膿症と言います。
 副鼻腔に細菌感染がおこる蓄膿症は、アレルギー性鼻炎とは反対に、水湿と熱とがからんで、濃くて、固い鼻水が生じてきます。清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)や荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)などの熱をとる漢方がよく効きます。また蓄膿も慢性化すると、熱で鼻粘膜が干からび、鼻づまりだけで鼻汁が出なくなる事もあります。この様な時には、鼻を潤しながら、熱も取る辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)が効果 的です。