急に木枯らしがふいて冷え込んでくると、ぶるぶる寒気がして風邪をひいてしまう。この季節にはありがちな事です。これは秋から冬に多い寒邪と風邪が、体に入り込んでかぜという病を引き起こしてくるのです。またみょうに喉がいがらっぽくなるのは、空気の乾燥による燥邪のせいです。このように四季にはそれぞれ特有な気候現象があり、それが過剰であったり、また人の抵抗力が弱っていると、様々な病気を引き起こす原因となります。東洋医学では自然界には風、寒、暑、湿、燥、火とい六つの状態(六気)が存在すると考えており、これらが病気の原因となった時にはそれぞれ風邪、寒邪、暑邪、湿邪、燥邪、火邪という病邪になるのです。これを外邪といいます。冷え症の人は少し寒いだけでも手足が冷たくなってしまうように、個々の人間の体質によって結びつきやすい外邪があります。どうもこの季節に体の調子が悪いなと思っているあなた。どんな外邪にねらわれているのか一度考えてみて下さい。
(1) 風邪(ふうじゃ)
自然界の風のように発病が急で変化が早く、体の上部や体表に取り付いて、頭痛、めまい、喉の痛み等の症状を起こします。風邪と寒邪が結びつくと寒気、鼻水、咳といった感冒のような症状が現れるので、風邪による病気という意味で感冒を風邪と書くようになりました。風邪は場所が変動しやすく、あっちこっちに移動する痒みや痛み等は風邪の病気です。春に多い邪で喉から入り易いので、よくうがいをしましょう。
(2) 寒邪(かんじゃ)
自然界の寒冷によってもたらされ、冷え症の人が特に障害されます。四肢の冷え、皮膚蒼白、水様下痢、小便が近い等の症状を起こします。また寒邪は激しい痛みを様々な部位に起こしやすく、暖めると改善するという特徴をもっています。寒邪は後背部から入りやすく、寒気は背中に生じやすいので首筋を温めましょう。晩秋から冬に多い邪です。
(3) 湿邪(しつじゃ)
外界の湿気によりもたらされます。水のように重く沈む性質があり、体や頭が重い等の症状の他、特定の関節のむくみや皮膚のはれ、また消化不良、臭い下痢等の症状を起こします。水に関係する仕事の人や元々発汗や尿量が少なく体に貯めやすい人に起こってきやすく、梅雨から夏に多い邪です。湿が多い果物や生野菜、清涼飲料水はひかえましょう。
(4) 燥邪(そうじゃ)
自然界の空気の乾きによりもたらされ、口渇、皮膚の乾燥、鼻や目の乾き、喉の乾き、空咳、鼻血等の症状をおこしてきます。元来体液の少ない老人に起こりやすいのですが、最近はオフィスオートメイション化によって生じる室内の熱と空気の除湿で、都会の事務職に燥邪による病が多く見られています。秋から冬に多い邪です。冷暖房は控えめにして、部屋に緑を置きましょう。
(5) 暑邪(しょじゃ)
夏の暑さによってもたらされます。炎天下の中に長時間いると頭痛や熱感、脱水等の症状が起こりますが、これは日射病等にみられる暑熱という症状です。また冷たい物の飲み過ぎや食当たり等から起こる下痢や嘔吐も暑湿と呼ばれる暑邪の症状です。夏には帽子を着用し、飲み過ぎや生物には注意しましょう。
(6) 火邪(かじゃ)
熱の程度が強く、高熱、顔面紅潮、目が赤い、局所が熱を持ち腫れる等の症状を現します。また亢じると出血傾向が起こってきます。火邪は体液を乾燥させ、口渇、便秘を生じやすくする他、イライラ等の精神不穏状態も誘いやすくなります。気温の高い地域の人や元来熱気の多い人、また感染症等の熱を生じやすい病の人によくみられます。適度に体を冷やし水気を多く取りましょう。
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